header.gif (2668 バイト)

space_r.gif (41 バイト)
space_r.gif (41 バイト)

清浄分散剤の役割とその効果について


  1. 洗浄分散剤の種類と役割

    1. 無灰系分散剤

       一般ポリマー(石油系高分子化合物)系分散剤と言われる物で、低温運転スラッジ又はマヨネーズスラッジと呼ばれる軟質を溶解分散する為に用いる。アルカリ価は余り高くないので酸中和能力は金属系(主にカルシウム系)清浄剤に較べると低いが、低温スラッジの溶解能力は高い。

    2. 金属石鹸系清浄分散剤

       一般にCa系のカルシウムスルホネート、カルシウムフイネート等が用いられ、高温発生するカーボンスラッジの溶解分散と油中に発生する強酸(硫酸等)及び有機酸の中和作用を併せ持っている。
      ※ 一般にエンジンオイルは、1、2を併用して調合する傾向にある。溶解させたスラッジの粒径は大体0.1〜0.5μ(ミクロン)程度である。(1μ=1/1000mm)


  2. 清浄分散剤と磨耗防止能力の関係

     前記A. の無灰系分散剤はポリマー(重合体)の一種であり、これを添加する事により多少粘度指数も向上する事もあって低温又は高温における粘度特性も良くなる為、油膜形成に良い影響を与えるので、摩擦防止能力は高まる傾向となる。
    B. の金属系清浄分散剤は、それ自体がグリースベースにも応用される金属石鹸の一種であり、それ自体が油性(耐摩耗性)を向上させる力を持っている。
     更に軟質低温スラッジやカーボンスラッジも共に0.1〜0.5μ程度に細かく溶解分散される。  この事は添加後一定期間を経て0.8μのメンブランフィルターで重量汚染度を測ると、油を濾過しなくても添加後の汚染度が、1/3〜1/4以下に低下する事からも証明されており、周知のところである。
     一般に流体潤滑領域における油膜(オイルクリアランス)は、その厚さが一般産業機械で約2μ〜10μ位であり、しかも分散されたカーボンスラッジの表面は、ミセルと呼ばれる潤滑性に優れた油性剤のカプセルに包み込まれた形で分散している為、分散剤が効力を維持している間は、これがお互いに固着はしない。この為にラインフィルター等の目詰りも回避する事が出来る訳である。
     以上の様な理由から、弊社の製品の中でも特に前記のA.無灰系分散剤 B. Ca系清浄分散剤を両方併用しているタイプ(SUPER OIL 21)が特に応用範囲が広く摩耗防止性が高い。


  3. 「発生スラッジを溶解及び防止する事によって摩耗の進行も抑止出来る」事の証明データについて

     別添の(資料その1データNo.1,データNo.2)を御覧下さい。使用状況と経緯はレポートの通りですが、結論としてSUPER OIL 21の添加後は大体添加前と同様の同期でオイル交換しているのですが、固形分(主にスラッジ成分)の含有率が大巾に減少し、この為粘度の上昇も大巾に抑えられています。これとまったく比例関係にあるのが銅,鉄の摩耗成分の大巾な減少です。
     これは単に摩耗防止剤の力ではなく、スラッジ発生を抑えながら、燃焼等によって発生するカーボンを固着させずに溶解分散させる事によって、油道(オイルの通るオイルロードと呼ばれる通路)の詰りを防止して、オイルエレメント等の詰りも防ぐ為に潤滑効率の低下を防止している為です。

     次に(データNo.3)を御覧下さい。これはオイルを同じ周期で交換した時の比較ではありません。
     オイル分析表の分析No.aは新油のデータで、粘度は103.17cst(センチストークス)です。
    分析No.bがSUPER OIL 21を添加せずに、1万kmで普通通りにオイル交換した場合の測定結果です。オイルの粘度は約27cst(変化率26.8%)の増加,,固形分は7%で鉄が44ppm発生しています。
     それ以降の4検体(分析No.c〜f)はSUPER OIL 21を、オイル交換時にオイル容量の8%を添加して走行し、4万km走行時点で、同様の8%を追加添加して連続走行して、6万km迄完走したデータです。
    添加前には1万km走行で、粘度は130cst以上に上昇し固形分は7%含有していたので、その比率計算からいけば1万8千km、4万km、5万km、6万km毎の走行時点では、固形分も鉄・銅の摩耗粉も1万km走行時の1.8倍4倍、5倍、6倍に増加しても不思議はない筈ですがそうはなっていません。
     また粘度は添加後も4万km走行迄は上昇傾向ですが、その後はむしろ下降傾向となっています。固形分も4万km走行から後の方では比例上昇には必ずしもなっていません。これは清浄分散剤が4万kmあたりで中間補充された為に、その後徐々に油中の含有スラッジ成分が溶解されているからです。そして固形分が逆に一時減少傾向となり、粘度も低下傾向となった4万kmから5万km走行に達する間では特に鉄・銅の摩耗成分の発生は止ってしまった状況です。
     6万km走行に達した状態でも、清浄分散剤の含有有効成分の目安となる、アルカリ価が低下していない場合には、固形分(スラッジ固形分)の含有率も余り増加せず、摩耗の進行も少ないのが通例です。
     このようにオイルの潤環系統を妨げないで良好な状況を保つ事は、流体潤滑に於ては非常に大切であり、その条件下では極圧剤よりも大切と考えられているのです。
     以上のような理由によりSUPER OIL 21は、他のエンジンオイル添加剤(極圧剤や耐摩耗剤を主剤としたもの)と異なり、大きな摩耗防止性能とロングライフを同時に満たし、オイルエレメントの無交換迄可能にした添加剤なのです。

 

fooder.gif (928 バイト)